リーダーシップ

リーダーシップとは何なのか?その探求に終わりはないのだろうと思います。ただその探求の途上を書き記していきたいと思います。

■Co-ducation的リーダーシップ

まずCo-ducationはリーダーシップは【誰にも備わっているもの】と考えます。リーダーシップと無縁の人はなく、経営者や管理職だけがリーダーシップの学習が必要というものではなく、私たち一人ひとりにとって探求すべき対象であろうと考えています。

Co-ducationの考えるリーダーシップで”ないもの”の一つは、【形式】です。リーダーシップの本質は形式にはないと考えます。「課長だからリーダーシップがある」「社長だからリーダーシップがある」とはいえないと思います。本質的にもリーダーシップを備え、形式的にもリーダーの地位にある人はいるでしょう。しかし、形式的にリーダーだからといって、その地位にある人が本物のリーダーシップを発揮しているとは限らないでしょう。

リーダーシップは、私たち一人ひとりのテーマであって、他の誰かのためのテーマでないとも考えます。冒頭に述べたようにリーダーシップは【誰にも備わっているもの】であって、最もテーマとするべきは自分自身のリーダーシップであると思います。他の誰かのリーダーシップについて語り始めた時、私たちは自分たちのリーダーシップを手放すリスクがあることを認識しておくべきではないでしょうか。

例えば、上司のリーダーシップについて批判する時、私は、私の人生に対する私自身のイニシアチブを手放し、上司に人生を従属させる意志を語っていることになるのではないかと思います。

リーダーシップを学ぶことは、簡単なことでも、ラクなことでも、場合によっては楽しいことですらないと言えるかもしれません。それは、どうしても自分を振り返り、自分の責任を問い、自らを拡張させるプロセスを必要とするだろうからです。しかし、リーダーシップを学んでいくことは、それを補って余りある報酬があるはずです。リーダーシップは、自分の人生を実りある豊かなものにするだけでなく、周囲の人や、社会をも平和で豊かなものにしていくものです。自分自身のリーダーシップを高めれば、苦しみの中に喜びを見出す力を身につけ、暗闇の中に光を灯して、楽しい時は純粋に心から楽しむことができるようになるでしょう。

このリーダーシップに関するWebの記事は、更新し続けていきたいと考えています。これを読んでくださっている方、一人ひとりが日々の生活でリーダーシップを実践し、振り返ったものを、共有し、またWebを更新していくようなことができればと願っています。

■一人ひとりのリーダーシップとは何か。

まず、具体的な状況や認知の仕方、アクションから考えていきたいと思います。

例えば、およそ相性のいいとはいえない上司で、自分から見ると優秀とも思えない上司、その上司の下で3年間一緒に仕事をすることが配属で決まったとしましょう。しかも、自分が担当する営業領域は、難しい顧客が多い上に、競合がシェアをとっていて大変な領域を任されたとします。

同期の友人Aさんは、社内でも人材育成の上手さで有名な上司のもとに配属になり、担当領域も支店で一番売上の大きいところを先輩から引継ぎ任されていたりしたら、もうそれだけで焦ったり、イライラしたりしてしまいそうです。

例えばこんな状況のとき、私たちはどうリーダーシップを発揮していくことができるでしょうか?リーダーシップを発揮した場合と、しなかった場合で、どのような違いが生まれるのでしょうか?

これだけ不公平というか理不尽というか、不利な状況におかれたとしたら、目の前の仕事に集中することは難しいかもしれません。しかも難しいお客様。営業にいくだけでもヘトヘトになり、帰ってきたら上司にどやされる・・・。仕事がうまくいかなくても、うまくいかない理由はたくさん見つかります。もし、自分が同期のAさんと逆の立場だったら、絶対もっと成果をだしているのに!そういう思いも募るでしょう。多かれ少なかれ、そういう感情や考えが起こるのは当然といえば当然かもしれません。

しかし、同じ状況におかれても、違う反応をする人もいます。

優秀とはいえない上司と、素晴らしいチームになるためには「自分は何ができるか?」
難しいお客様が多いが、それでも成果を出すために「今、自分は何ができるか?」
こんな困難な状況から「自分は何を学べるか?」
この困難を乗り越えた時に「どんなに自分は成長できているだろうか?」

こう自らに問い続けて行動する人もいます。

同じ状況を、違った反応で経験していった先に、どのような違いが生まれるでしょうか?3年後、異動になったときに、どんな未来がそれぞれに待っているでしょうか?

ここで語られているリーダーシップとは「主体性」と言い換えられるかもしれません。主体性について見事に表現している一つの本は、自己啓発のベストセラーである「7つの習慣」といえるでしょう。

■孤独なリーダーシップ

愚痴をいうネタなら事欠かない状況にあって、「自分は今、何ができるか?」を問い続けることは簡単なことではないでしょう。愚痴を言いたくても飲み込む、怒りをぶつけたくても飲み込む。上司の無能さに腹が立ってしょうがない。でもそれを感情に任せてぶちまけても何も解決しない。そう思って飲み込む。

同僚は、上司への文句を、飲み屋で語り合ってストレスを発散しています。しかし、自分は文句を言わずに頑張っている。自分だけは、上司を批判するのではなく、上司のよいところをみつけ、それをサポートし、チームで成果を出せるように努力し続けています。だんだんと、そういった努力が実り、上司からも信頼を得られるようになってくると、同僚から白い目で見られるようになってきて・・・。

「あいつは、取り入るように仕事をしているんだ」なんて陰口を言われているのが耳に入ってくる。仲間のはずの同僚から疎まれたりします。でもそこで「いや、僕もあの上司はどうしようもないと思っててね!」と歩み寄ることもしない。

リーダーシップを発揮し続けようとしたとき、孤独に耐える力が試されることがおうおうにしてあるものだと思います。

リーダーは、不安を表現することが許されないとは言わないまでも、歓迎はされないでしょう。企業の経営者が「四半期先の業績が不安で不安でしょうがないよ。どうしよう・・・どうしよう・・・。ねぇどうしたらいいと思いますか?あーーー困ったなぁ」とは言えません。記者会見でも言えないし、社員の前でも言えません。役員の前であっても、不安を吐露することは歓迎されないでしょう。

座礁の心配ばかりを口にする人に、船長は務まらないのです。船長は、不安があってもそれを引き受け、自分の中において処理し、船員の前では自信を持って希望を見せられなければならないのです。

リーダーには、こういう孤独な側面があります。本当の意味でのリーダーは、孤独が引き受けられなければならないのだと思います。自分がどういうリーダーを望んでいるか考えればすぐに分かります。理想のリーダーは、いつも明るくて、一緒にいると元気が出て、自分のことに関心を向けてくれる人です。では、リーダーはいつ、自分に元気を与えてもらい、自分に関心を向けてもらい、自分の愚痴や不安を聞いてもらうのでしょうか?これらを外に求めることのない”力”がリーダーには求められると言えるのではないでしょうか。

これほどの孤独をも引き受けてなお、リーダーシップを発揮し続けることができるのだとしたら、その源泉はどこにあるのでしょうか?リーダーは、どんな充電をしてリーダーシップを発揮するのでしょうか?

■受け取る力

確かに、リーダーは孤独かもしれません。

しかし、本当に孤独であればリーダーであってもやはり、飢えてしまうはずです。しかし、リーダーは常に高いエネルギーをもって(見た目がエネルギッシュという意味に限らず)行動していけるのがリーダーだといえるでしょう。では、リーダーは何をエネルギー源にしているのでしょうか?

「ビジョナリーカンパニー2」では【第五水準】の経営者、リーダーシップと言うものが論じられています。彼らの特徴は職業人としての不屈の精神を持っていると同時に、極めて謙虚であるというところにあると書かれています。

彼らは明らかに、企業を成功の導いた立役者であり、卓越したリーダーであるのです。周囲で働いていた人たちは誰しも彼らを尊敬し、彼らがいたから今の繁栄があるといいます。しかし、彼らにリーダーシップの秘訣をインタビューすると、彼らは答えに窮するのです。

「ビジョナリーカンパニー2」より

P.43
インタビューのとき、会社について、他の経営幹部の功績についてはいくらでも話してくれるが、自分自身の貢献については話しを避けようとする。それでも話すように求めると、こういう答えが返ってきた。「大物ぶっていると受け取られては困る」「取締役会があれほど偉大な後継者を選んでいなければ、今日ここでインタビューを受けることもなかったはずだ」「わたしが大きな役割を果たしたかだって?いかにも自分勝手な話になる。自分の功績が大きいとはわたしは思っていない。われわれは素晴らしい人たちに恵まれたのだ」(中略)謙虚さを装っているのではない。これらの指導者についての記事や周囲の人たちの話には、物静か、控えめ、謙虚、無口、内気、丁寧、穏やか、目立たない、飾らない(
中略)などの言葉が頻繁に出てくる。

P.54
飛躍を指導した経営者とのインタビューでは、幸運が話題になることがきわめて多かった。(中略)自社の成功をもたらした功績は自分にはないと断言し、部下や後継者や前任者に恵まれた幸運を協調した。

私は、数年前初めてこの本を読んだとき、おそらくこれらの文章を誤読していたように思います。「よいリーダーになるには、謙虚に立居振舞うことが大切なのだ」というように感じたことを覚えています。しかし、今はそれはとんだ誤読であったのではと考えています。彼らは、意識的に謙虚に振舞っていたわけではなく、謙虚であるべきだと考えていたわけでもなく【ただ謙虚だった】のではないでしょうか。

もう少しいうと、感謝すべきだから「素晴らしい人に恵まれた」と言ったのでもなく、その方が評判がよくなるから「部下や後継者や前任者に恵まれた」と言ったのでもなく、本当に感謝しているからそう言ったまでで、引退する前に一緒に働いていた毎日にも、本当に「素晴らしい人たちと仕事ができている!」「ありがたい!」と思っていたのだろうと考えられるのではないでしょうか。

リーダーは孤独かもしれません。
しかし、卓越したリーダーは、卓越した「感謝する力」があるのだろうと思います。周囲の人たちの努力や貢献を「受け取る力」が卓越しているから、素直に「素晴らしい人たちに恵まれた」と思いながら仕事ができるのでしょう。孤独なリーダーという仕事の中においても、エネルギーを受け取る力も優れている、だからこそ本物のリーダーになることができるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、Co-ducationはリーダーシップは限られた人のものではなく、私たち誰しもに関係のあるものだと考えます。であるとすれば、社長であれ、5年目の社員であれ、新入社員であれ、受け取り感謝することでリーダーシップを高めることはできるはずなのです。

この日本という平和な国の平和な時代に生まれたこと。何の実績もない自分を雇って仕事を与えてくれたこと。成果主義の余韻が残る中で自分の成長のために尽力してくれた先輩の存在。何を受け取り、感謝をするかは人によって違うものであると思いますが、どのようなものにしても私たちは、感謝できることがたくさんあると思うのです。

■因果(合理)的リーダーシップと非因果的リーダーシップ

リーダーシップ

リーダーシップには大きく二つの(どちらも重要な)”世界観”があります。

▼因果的リーダーシップ
合理的
ニュートン力学的
原因と結果
時間と距離の世界

▼非因果的リーダーシップ
共時性(シンクロニシティ)
ベルの定理
時間と距離を越えた世界

合理的リーダーシップの重要性も非常に高いというのがCo-ducationの立場です。例えば、時間管理についてドラッカー(「経営者の条件」)やコヴィー(「7つの習慣 最優先事項」のについては学ぶべきものだろうと思います。

しかし、非因果的リーダーシップはこれまでそれほど語られてきたとは思えず、リーダーにとってとても大切な世界観であるといえるでしょうから、こちらについて重点的に考えていきたいと思います。

まず、非因果的リーダーシップの世界観にとって重要なキーワードを挙げておきたいと思います。

・アーヴィン・ラズロ
・量子力学
・シンクロニシティ
・ベルの定理
・ユング心理学

「生ける宇宙」
「ユング心理学入門」
「シンクロニシティ」
「よく分かる量子力学」
「図解雑学量子力学」
「時間はどこで生まれるのか」
「道教」
「禅」
「ヒンドゥー教」

これらの世界観の特徴は
・原因⇒結果という一方向の矢印は存在しない。2者間の関係性は常に双方向である。
・”同時に”起こる。時間と空間を越えて、同時に起こるということがあり得る。
といったものです。

東洋思想(禅、道教、ヒンズー教など)は古くからこういった世界観をもっており、今アメリカやヨーロッパで東洋思想に対する注目が高まっているのは(欧米の本屋には禅の本がたくさん並んでいます)、この世界観がリーダーシップに欠かせないものだという認識が広まりつつあるからだと言えるのではないでしょうか。

(非因果的リーダーシップについてはレポートは続きます)
2008.3.21

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