転職のメリットデメリット
■自分が仕事に望んでいることを明確にする
【転職を考えるようになったきっかけについて吟味する】
転職という言葉が頭に浮かんだからには、何かしら今の仕事への違和感なり、不満なりがあるはずです。
ちなみにリクルートが【退職理由の本音】という調査をしています。
http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/01/honne/honne1.html
1位が上司との人間関係。
2位が給与が不満足。
2位に関しては転職しようかなと思ったらにも書きましたが、転職によって解決するのは限られたケースになります。実際には「転職後、早い時期に今よりも昇給が望める」という転職先に落ち着いているのが現実でしょう。
とにかく自分の年収を上げたい!というのも、転職を決意するには正当で十分な理由です。ただし面接においては表現は気をつけなければいけません。面接時の対応については面接の準備をする~転職理由・退職理由の章をご覧ください。
1位の上司との人間関係、実際には転職理由としてこれは断トツに多いようです。筆者がキャリアコンサルタントとして転職相談にのっていた経験からも、この理由から転職を考え始める人は非常に多くいました。逆に、上司を尊敬している、素晴らしい上司に恵まれているというお話をされる方は、当時の筆者がどれほど魅力的なオファーを提示してもほとんど興味を示さなかったというところがあります。それほど、会社員にとって上司の影響力は大きいものであるのは間違いないのでしょう。
しかし上司との人間関係を理由に転職するというのは、転職の面接ではそのまま話ができないものでもありますが、それ以前に転職の理由としてはちょっと慎重に取り扱うべきものです。というのも簡潔に言って【次の会社の上司が今の上司よりいい保証は全くない】からです。ちょっと考えれば分かりますが、給与は上がる可能性がある程度保証されても、上司がベターな上司になるかどうかは完全に運です。もっとひどい、もっと相性の悪い人が上司になるリスクだってあります。
もしあなたが、上司との人間関係を理由に転職を考えているのなら、慎重に考えてみて欲しいと思います。
確かに、とんでもない人が管理職をしている場合もありますし「そこまでならば、転職してしまった方がいいですね」と言える場合もあります。しかし、大きく二つの理由から上司との人間関係を理由に転職することはお勧めしかねるのです。
1.今の上司がいつまでも上司とは限らない。1年後、3年後には上司が変わっているかもしれない。異動の申請を出すこともできるはず。
2.ビジネスパーソンにとって「上司」と「顧客」は逃げられないもの。相性が悪い人だから大口顧客でも営業に行かない、というのは許されないのとほぼ同じレベルで、相性が悪い人だから上司とは人間関係を築かない、というのは許容されないのが一般的な考え方です。
中期的に見て、ビジネスパーソンは多様な人々と良好な関係を築く力が求められていきます。いちいち人間関係の好き嫌いで、ストレスを抱えたり、仕事がはかどらなかったりしていては、30代以降、リーダーとなって活躍していくにはあまりに器が小さすぎるということになってしまいます。今の上司と良好な関係を築くことが難しければ、その上司と良好な人間関係を築くことこそがまさに取り組むべき課題であることも多々あるわけです。
もしその上司の強みを理解し、上司の価値観を共感はできないまでも理解はし、上司にしかない苦労へ配慮し、人間関係を超えて”仕事”の成果をチームとして出していくことができるようになれば、確実あなたはビジネスパーソンとして一皮むけるでしょう。逆に、上司との人間関係を理由に一度転職をしてしまうと、また同じような状況になった時に、転職という手段しか思い浮かばなくなりジョブホッパーに陥ってしまう危険性があります。それでは上司という一人の人間のために自分のキャリアを積上げる機会を奪われ、上司から逃げたつもりが、逆に上司の影響力によって自分のキャリアを支配されてしまうという結果になりかねません。
もちろん、これは口で言うほど簡単なことではありません。大変なストレスを感じながら、大変な労力を注ぎ込んでいかなければなかなか乗り越えられない壁であることがほとんどです。しかし、くどいようですが人間関係を理由に転職することは慎重に取り扱う必要があります(絶対にその理由で転職してはいけないということではありませんが・・・)。
■自分が仕事に望むものを明確にする
転職によって手に入るものはいくつかあります。
・ 新しい経験
・ 新しい環境
筆者が【転職してもいい】と思うのは
・ 違う職種へチャレンジする(例えば戦略コンサルタントから人事コンサルタントへなど、微妙に違うものでも)
・ 環境への配慮で転職する(例えば、親の介護が必要になり引っ越す場合など)
・ より厳しい環境へ転職する(労働時間は増えても、将来性が高まる)
・ よりワークライフバランスのとれた環境へ転職する(家族との時間を大切にしたいと意識したときなど)
・ どうしても追求したいテーマに携わる(雇用形態よりも、環境問題に取り組めるとか、どうしてもショップで働きたいとか)
ちなみに失うものは
・ これまでの人脈
・ 社内で培ってきたノウハウ・人脈
・ 今の会社での仕事の進め方
自分が転職によって何を得ようとしているのか、それはどこまでなら犠牲を払ってでも手にしたいものなのかを考える必要があります。筆者は、特に20代の若手が「他の仕事もやってみたい」といったような理由で転職をするのは、特に問題ないと考えています。20代のうちに複数の会社や仕事を経験することによって自己認知が深まり、30代以降どの領域でキャリアを積上げていくかのおおまかな方向性を絞る糧とできれば、決して転職は無駄にならないと思います。
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コーデュケーション代表石川が不定期にメルマガを発行しています。キャリアについての気づきや、研究経過、コラムなどのほかに、最新のビジネスセミナーのお知らせもしています。
